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上級ビザ講座
上級ビザ講座3 「離婚後の在留資格。」

 「離婚後の在留資格」、と一口に申しましても色々な類型があります。まず、日本人配偶者の在留資格だったかたが離婚するときは典型です。そして、最近では日系人の増加を反映して、日系人との離婚後の在留資格、というテーマも問題になってきています。
 両者は、共通する側面がありますので、まず日配から検討し、その応用として、次に日系等の定住を検討いたします。

 日本人配偶者の離婚後にビザが問題になるケースは、本人が永住申請を失念または誤認していた場合も多いです。
たとえば、友人から「永住は10年だって。この前、入管に行ったときにそう言ってたよ。」、などとまた聞きして、それを鵜呑みしていたケースなどが考えられます。日本人配偶者は「10年」ではないのは言うまでもありません(なお、婚姻していながら在留資格が配偶者でなく、就労等の場合があり、その場合は一応別個に検討が必要です。)。あるいは、その夫婦が仕事の都合で単身赴任で海外等に行きがちであり、入管当局から、「永住は難しいです。」との「行政指導」を受けていた場合もあります。
 さて、理由はともあれ、いったん離婚することになった以上は、もはや短期間での永住許可は原則としてされません。手遅れということです。また、離婚しなくても婚姻関係が実質的に破綻していたとき等は、短期間での永住は、通常、許可されません。この理は、離婚どころか、婚姻していても実「体」が無ければ、配偶者の該当性無し、とした最判平14・10・17(下記に引用。)と法理論的牽連性が存するものと解されます。
 そして、婚姻関係が破綻したときは、配偶者ビザの更新は基本的に認容されません。そこで、在留資格が問題になるのです。
この場合、形式的には、四つほどの選択肢があります。

1. 永住申請
そのかたの事情によっては可能なケースはあり得ます。但し、永住申請中は他の在留資格が必要です。
2. 定住者ビザ
これはこの場面では一般的な選択です。但し、これまでの在留の期間の長さ等が要件になります。
といっても、基準省令のように明文化されているわけではなく、今のところ、これまでの行政先例が判断規範になっています。概ね、3年ですが、絶対の基準ではないです。つまり、これは必要条件でも十分条件でもありません。また、期間要件を充たせば足りるというものでもありません。
申請人の諸般の事情が総合的に考慮されます。但し、日本人の実子がいてもそれだけで許可されるわけではありません。実際には、結果として、外国人男性の多くは、不許可になります。
3. 他の就業(就労)系等のビザ
人文国際等に変更することももちろん、可能です。ただ、これまで、配偶者ビザで来たかたは、就業(就労)系のビザの厳しさへの認識が甘い傾向があります。配偶者ビザでこれまでいわば楽に在留してきたため、ビザの知識もなく、就業系ビザの厳格性に気づかないまま、在留期限直前に気軽に申請して不許可になり、一時帰国する事態も多くみられます。
4. 帰国
帰国も当然選択肢です。配偶者ビザの基礎となる事情が消滅した以上は、帰国が原則というのが実務の基本方針であり、日本での在留継続を求めるときは、その「必要性」と「許容性」を自ら立証せねばなりません。

 以上この四つのいずれにするかは、ご本人の諸般の事情を総合的に考慮して行うことになります。

 日系人の夫や妻と離婚しても、その日系人側は定住者の在留資格ないしビザを失うことはまずありません。それは元々、日系人という法的地位に着眼してビザが与えられているからです。他方、この日系人との婚姻を理由に、定住者ビザで在留していた一方配偶者は、「日本人配偶者」の場合と同様に、婚姻関係の破綻によって、在留の基礎を失います。
 この場面の法的状況は、日本人配偶者のそれと基本的にパラレルに考えられます。つまり、類似の法的状況にあるので、日配に準じて解釈可能、という意味です。
ただ、実務では日本人配偶者よりも、日系人配偶者はより日本との関わりが「薄い」と考えられています。したがって、基本的には、たとえば、同じ定住者の在留資格を申請する(元から定住者の在留資格なので、この場面では「更新」。)としても、その要件ないし判断基準は、日本人配偶者のそれよりも厳しくなる傾向にあるとみてよいでしょう。

[参考判例]
最判平14・10・17
「 (1) 法は,本邦に在留する外国人の在留資格は,法別表第一又は第二の上欄に掲げるとおりとした上,別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者は,当該在留資格に応じそれぞれ本邦において同表の下欄に掲げる活動を行うことができ,別表第二の上欄の在留資格をもって在留する者は,当該在留資格に応じそれぞれ本邦において同表の下欄に掲げる身分又は地位を有する者としての活動を行うことができるとし(2条の2第2項),また,入国審査官が行う上陸のための審査においては,外国人の申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく,別表第一の下欄に掲げる活動又は別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位を有する者としての活動のいずれかに該当することを審査すべきものとしている(7条1項2号)。これらによれば,法は,個々の外国人が本邦において行おうとする活動に着目し,一定の活動を行おうとする者のみに対してその活動内容に応じた在留資格を取得させ,本邦への上陸及び在留を認めることとしているのであり,外国人が「日本人の配偶者」の身分を有する者として別表第二所定の「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦に在留するためには,単にその日本人配偶者との間に法律上有効な婚姻関係にあるだけでは足りず,当該外国人が本邦において行おうとする活動が日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当することを要するものと解するのが相当である。
 (2) 日本人の配偶者の身分を有する者としての活動を行おうとする外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することができるものとされているのは,当該外国人が,日本人との間に,両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真しな意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係を有する者として本邦において活動しようとすることに基づくものと解される。ところで,
婚姻関係が法律上存続している場合であっても,夫婦の一方又は双方が既に上記の意思を確定的に喪失するとともに,夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり,その回復の見込みが全くない状態に至ったときは,当該婚姻はもはや社会生活上の実質的基礎を失っているものというべきである(最高裁昭和61年(オ)第260号同62年9月2日大法廷判決・民集41巻6号1423頁参照)。そして,日本人の配偶者の身分を有する者としての活動を行おうとする外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することができるものとされている趣旨に照らせば,日本人との間に婚姻関係が法律上存続している外国人であっても,その婚姻関係が社会生活上の実質的基礎を失っている場合には,その者の活動は日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当するということはできないと解するのが相当である。そうすると,上記のような外国人は,「日本人の配偶者等」の在留資格取得の要件を備えているということができない。なお,日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当するかどうかを決するに際しては,婚姻関係が社会生活上の実質的基礎を失っているかどうかの判断は客観的に行われるべきものであり,有責配偶者からの離婚請求が身分法秩序の観点から信義則上制約されることがあるとしても,そのことは上記判断を左右する事由にはなり得ないものというべきである。



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