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帰化の法務Q&A
帰化の法務に関して、専門の移民法律家がQ&A形式でお答え致します。

Q1: 帰化とは、どのようなものですか?
A1: 帰化とは、日本国籍を取得する制度です(国籍法4条1項)。
 いわゆる「日本人」か「外国人」かの区別はただ単に、「日本国籍あるか否か」だけの区別ですから、本人が日本国籍を取得した瞬間に、本人は「外国人」ではなくなり、「日本人」そのものになります。当然、選挙権もあります。国会議員に立候補でき、当選することもできます。その反面、通例、生まれ故郷等の国では「外国人」となり、故郷へ帰るときには「外国人」として帰ることになります(二重国籍になる場合は別です。)。
 そして、世界の多数の国と異なり、日本の憲法・法令は、帰化された「日本人」への一切の差別を認容しない点では、比較法的にはかなり徹底しているほうです(憲法14条)。

Q2: 帰化の要件(基準)は何でしょうか?
A2: 帰化は、国籍法に基本的な必要条件が規定されています(国籍法4条2項1号乃至6号)。
但し、十分条件ではありません。なお、便宜上、見出しを付します(法文原文見出し無し。なお、木棚照一「逐条註解国籍法」259頁以下参考。)。

一 (居住要件)
 引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二 (能力<成年>要件)
 二十歳以上で本国法によつて能力を有すること。
三 (素行要件)
 素行が善良であること。
四 (生計要件)
 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生 計を営むことができること。
五 (国籍要件)
 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六 (憲法遵守要件)
 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若 しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

Q3: 何か例外的に簡単に帰化できる方法はないですか?
A3: 以下の場合は簡易な要件で帰化できます(特別帰化)。但し、あくまで最後は法務大臣の裁量です。

1. 居住要件が免除されるとき(法6条1号乃至3号))
一 日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二 日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
三 引き続き十年以上日本に居所を有する者

2. 居住要件+能力要件が免除されるとき(法7条)
・ 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(同法前段)。
・ 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するもの(同法後段)。

3. 居住要件+能力要件+生計要件が免除されるとき(法8条1号乃至4号)
一 日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
二 日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
三 日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

4. 国籍要件が免除されるとき(法5条2項)
(法務大臣が)外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるとき

Q4: 何か難しそうですね。でも、帰化なんて日本人の私には関係ないですよね?
A4: 日本人でも、もし、国際結婚されたとき、相手の国の法令によっては、その人は相手の国の国籍を取得することがあります。そして、知らないうちにいつの間にか取得することがあるのです。もちろん、「自己の志望」(意思表示)が要件ですが(国籍法11条1項)、実際には本人が意識しなくても起こりうることであり、前例は多くあります。その場合、注意していないと、生まれも育ちも日本人でも、日本国籍を失うことはありうるのす。そして、「外国人」になります。よって、また日本人になりたいときは「帰化」せねばなりません。

Q5: 私は国際結婚したのですが、現在相手の国に住んでおります。この前、選挙の通知が来ました。ということは私は日本国籍を失っているのでしょうか?
A5: 国にもよりますが、選挙権があるということは通常、その国の国民であることを意味します。よって、二重国籍防止原則から、日本国籍を失っている可能性はあります。但し、例外的に二重国籍になっていることもあります。それは国によっては、本人の意思に関わらず、婚姻によって自動的に国籍を付与するからです。ですから、お相手の国の法令を調べる必要があります。

Q6: 居住要件についてもう少し詳しく知りたいのですが?
A6: これは実務的には「同化」の目安の意味もあります(木棚照一「逐条註解国籍法」259頁。)。この点、帰化においては、「多文化共生」というような発想ではありません。それゆえ、日本語の読み書きや本国との関係等も審査の対象になります。
 なお、「住所」というのは、帰化の場面では、かなり狭く解釈されています。たとえば、留学ビザ(在留資格)で日本に5年在留しても、原則として、この「住所」の要件を充たしません(「国籍・帰化の実務相談」336頁。なお、法6条3号参照。)。但し、留学生の留学期間と就職期間の評価の基準につき、当局(の現場)から一貫しない説明を受け、解釈適用が混乱する場合があります。法務局(の現場)の解釈も流動的な場合があるので、その都度確認するほかありません。結局、「住所」等も規範的概念であって、一義的に留学生の期間を排除するものではありませんが、法務局内規がどこまで杓子定規に適用されるのか、という解釈の幅(裁量権)の問題です。実際には、たとえば、日本語学校の就学生等で上陸し、大学学部、大学院の修士、博士と進んで行けば、学生だけで10年間いることも可能ですが、それで帰化の要件の一つをクリアすると解してもよいのか、という判断です。
 この点については、法務局の解釈は可能な限り、裁量権を留保する解釈になっています。たとえば、「居所」(法6条3号)に関しては、従来、「住所」との区別を認めるかどうかはともかく(2004年10月に照会したところでは、区別しない見解を採用という趣旨でした。)、留学での期間を「居所」と認定することには必ずしも積極的ではなく(したがって、10年在留していても無意味な場合もありうる。木棚照一「逐条註解国籍法」308頁。)、他方、「住所」(法5条1項1号)に関しても、例外的に、留学での期間を「住所」と認定しないとは限りません。つまり、実際には個別的に判断するのです。ただ、法務局の現場では、本質的に個別的判断で例外を認容するのに、それを言いにくいためか、あたかも一般的判断であるかのような回答がされる場合があります。そうした場合に、法務局からの回答に納得できない外国人が「友だちの場合はこうだったのに、なぜ私の場合はダメなのか。」という趣旨で、民間の法律実務家に相談に来られる場合があります。こうした場合には、実務家としては、本質的に自由裁量の個別判断であることを説明することになるでしょう。ちなみに、「友だちの場合はこうだったのに、なぜ私の場合はダメなのか。」という趣旨の質問を、外国人が法務局の現場に持っていくと、「当時とは法律が変わったからです。」、などと言われることもありますが、実際には「合理的根拠の無い区別」だと思われないように、そう言っているだけの場合も無しとしえず、民間の立場で相談を受ける際、注意が必要です。たとえば、留学の期間を基本的に「住所」と見ない扱いは、最近に始まったことではないです(「国籍・帰化の実務相談」336頁。)。
 なお、帰化の要件の解釈は、国籍を得る効果である以上、「永住」よりも一見、厳格に解するのが権衡上、相当なようにも見えます。ところが、現場では必ずしもそうはなっていません(例、永住が不許可で、帰化が許可という場合もあり得る。)。ですので、入管の感覚からすると消極に解するようなものまで、法務局が積極に解していることがあります。

Q7: 私はオーバーステイで10年以上、日本にいますが、この「住所」の要件を充たしますか?
A7: 適法な在留資格が必要ですので、充たしません。また、いずれにせよ素行要件等で不可能です。

Q8: 素行要件については、どういうことが審査されますか?
A8: 刑事責任や行政罰の類、納税義務の履行状況、地域社会との関わり等、諸般の事情を総合的に審査されます。もちろん、道交法違反を含みます。

Q9: 私は4年前に人文知識・国際業務の在留資格で来日し、その後日本人と婚姻し、3年になります。在日の韓国領事館にだけ婚姻届を出しました。日本の市区町村の役所に婚姻届はしていません。日本人と婚姻しているときは、帰化の要件が緩和されるそうですので、今度帰化申請しようと考えているのですが。
A9: その場合、日本の市区町村の役所に婚姻届をしていないのでしたら、日本法下では婚姻が成立していることになりませんから、帰化の要件は緩和されません(レジストラブックス111・329、同87。なお、国籍・帰化の実務相談326の事案は多くは無いと思われます。)。

Q10: 帰化するのにお金はかかりますか?
A10: 帰化自体は無料です。外国では多額のお金を取るところもあります。日本の移民行政ないし入管行政ではほとんどお金を取らないのが特色です。ただ、私見ですが、現在でもこの分野の行政の事務は渋滞し、かつ行政の財政状況は国も地方も破綻しかけていることからすると、諸外国を参考に、もう少し金員を徴収してもよいのではないか、と考えられます。

Q11: 法務局へ行くときの心構えを教えてください。
A11: 法務局へ行くときは、申請人の挙動の全てが審査対象になります。たとえば、最初の出頭(必要書類の指示等)・申請・面接で、比較的少なくとも、合計3回前後行くことになります。複数回の出頭を要求すること自体、申請人の素行の善良性や、帰化に対する意思の確認を、いわば申請人本人を直接に見て、確認する趣旨があります。ですから、法務局は、申請人の素行等に疑問等があるときは、何度も出頭を求めることもあります。この際、審査官は一番最初に出頭したときから、申請人の挙動をチェック・記録し、審査結果に反映させるのです。したがって、暴言を言うとか、日本人になるという動機や意思に疑問がある、等の事情は不利に斟酌されうると解されます。もっとも、パラレルに解される永住申請と比べた審査のあり方は興味深いところです。
 なお、結局、帰化申請も、担当となる職員の対応で大きく異なるのは言うまでもありません。ですので、帰化してみて感じる法務局のイメージは人それぞれのはずです。

Q12: 帰化手続きにおける法律専門家の役割は何でしょうか?
A12: 行政の窓口での解釈適用ないし行政指導等に過失が存する場合等に、法令通達等の調査のうえ、救済措置を求めるような場面もあります。また、帰化に限るものではないのですが、少々大げさに記述すれば以下のようにもいえるでしょう。書類の収集と作成というよく知られた役割以外に以下の役割があります。
 帰化も行政手続そのものです。したがって、申請行為そのもの以外の行政への照会や陳情等の様々な場面で、本人の代わりに、代理人ないし使者として、法律行為や事実行為をすることが可能です。
 また、行政に対する民主的統制の機能もあります。すなわち、たとえば、帰化手続においても様々な人権・権利侵害がなされます。特に、密室でなされることも多いです。このような場合、様々な人権救済方法があり得ます。もし、客観的な第三者たる法律専門家が付いていなければ、密室でなされた権利(人格権等)侵害行為をどうやって証明し、公正で透明な民主的統制のもとに置くのでしょうか(刑法231条「侮辱罪」、刑法193条「公務員職権濫用罪」、刑法195条「特別公務員暴行凌虐罪」、等々ご参考)。
 法律専門家と裁判所はそのために存在するのです(法の支配の法理)。憲法が規定する三権分立原理とは、行政の暴走を司法権が統制したり、また行政内部での抑制と均衡も予定するものです。この機能の点では、民間の法律専門家は、公益目的に機能しているわけです。つまり民間の法律専門家の存在は、日本国憲法が予定している、いわゆる「憲法保障」の様々な制度の一つなのです。民間の法律専門家は非常に重要な、日本国憲法上の制度です。
 法律専門家の職権にはこのような社会的意義と重大な職責があることを失念してはならないでしょう。法律専門家は、違法・不当な行政行為を抑止し、未然に防ぐ機能があります。

Q13: 申請が受理されるとどうなりますか。
A13: その場で、「連絡票」という紙を交付されます。これには、当該申請の、(1)受付年月日(2)受付番号(3)担当官(4)申請者名、等が記載されています。帰化申請した場合、担当の審査官が決められることになっています。この担当審査官の直通電話を指示されることもあります。

Q14: 面接(アメリカの移民法的にいうとインタビュー)はいつ頃になりますか。
A14: 最近ですと、2乃至3か月後と言われることもあります(東京法務局本局の場合)。

Q15: 面接の出頭の日時の連絡はどういう形で通知されますか。
A15: 手紙・葉書・電話です。特に固定されていません。

Q16: 面接には誰が出頭しますか。
A16: 本人以外に、たとえば日本人と婚姻されていれば、原則としてその配偶者も同伴で面接を受けることになります。

Q17: 日本人配偶者の場合の短期(法7条前段後段)の起算点はいつからですか。
A17: 法的な婚姻の成立及び実体の具備された時点からです。偽装婚の場合は算入されません。したがって、日配の在留資格の許可の時点と一致するとは限りません。また、日配の在留資格が必須の要件になっているわけではありません。したがって、就労で在留していて、婚姻したのに、日配に変更していない人についても、この短期が適用される余地はあります(これは、法務局の帰化、入管の永住に共通。)。照会2004May,2004Oct

Q18: 帰化申請したいのですが、申請できないのですが。
A18: 法務省は外務省の査証申請(不発給の後の)と異なり、法務局も入管も、申請資料自体をおよそ受け取らないとか、およそ申請できない、という扱いはしていません。ただ、あるのは、申請撤回の遠まわしな行政指導です。なお、申請できることと、許可されるかどうかは、別の問題です。

Q:19 帰化後、離婚すると国籍を失いますか。
A:19 離婚すると国籍失うのであれば、離婚が困難になり、好ましくありません。このような質問は非常に多いのですが、まず、日本の法秩序全体の精神を理解することが肝要です。ただ、私見では偽装結婚で帰化しようと画策する事案も相当多いのではないかと思われます。法務局の奮起を求めるところです。入管の審査と比べて、法務局の配偶者案件の審査の実体はどうなのか、興味深いところです。審査する人員が足りないのであれば、積極的に民間の活力を活かすべきでしょう。

2006Apr02
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