|
 |
国籍の法務Q&A
国籍の法務に関して、専門の移民法律家がQ&A形式でお答え致します。
Q1: アメリカでは生まれた場所がアメリカなら、アメリカ国籍を取得しますが、日本ではどうですか?
A1: 日本では生まれた所が日本かどうかではなく、親の国籍が日本か否かで決まります(原則。例外、国籍法2条3号。なお、最二小判平7・1・27。)。
もし、アメリカのように生地主義を基調としていれば、「在留特別許可」のかなりの部分が不要になるでしょう。たとえば、生まれながら日本国籍を与えられるのであれば、日本人には「在留資格(ビザ)」は不要である以上、その子どもに関しては「オーバーステイ」の余地は無くなります。
Q2: 私は夫婦双方が外国人ですが、今度子どもをもうける予定があります。何とか子どもに日本国籍を与える方法はないですか?
A2: そのままでは日本国籍を取得することはありません。方法としては、出産前にあなたが帰化することが考えられます。
Q3: 私たちはオーバーステイの夫婦ですが、子どもを出産したときに役所には届け出しませんでした。摘発されるのが怖いので・・・。この子どもの国籍はどうなるでしょうか?
A3: 放置すれば、その子どもは「無国籍」になり、どこの国からも保護されないことになる場合があります。
Q4: 子どもが無国籍になると困るので、親戚の夫婦の子どもとして届出することにしました。これで安心ですよね?
A4: 刑事責任としては、公正証書原本等不実記載罪で処罰される可能性があります。なお、協力者は(共謀)共同正犯または従犯です。他方、民事上はその子どもの将来の法的地位が不安定になり、トラブルの原因になります。
Q5: 摘発されるのも子どもが無国籍になるのも困ります。ではどうすればいいのですか?
A5: 正しい法律上の手続きを採ってください。入管法等に詳しい人に相談することです。
Q6: 国際結婚すると、子どもは当然に二重国籍になると友人から聞きましたが本当ですか?
A6: 国籍留保の手続きをしないと、日本国籍を失います。期限があるので注意してください。
Q7: 私は日本人ですが、妻との関係が冷え切っており、現在、ある外国人と内縁関係にあります。ちなみに妻の側も本国に夫がいますが、離婚の交渉中です。妊娠中に役所に行きましたら、内縁の妻の側が独身でないといけないとか何とかよく分からないことを言ってましたが、昨日、彼女との間に子どもが生まれました。日本人の子どもは日本人になるという話を友人から聞きましたので、早速この子を、自分の子どもであると、役所に申告する予定です。出生届けというのは、生まれた後にするものですから、大丈夫ですよね?
A7: その子どもは、原則としてその状態では日本国籍は取得できません。つまり、日本国籍を与えたかったのであれば、その子どもにつき「胎児認知」する必要があったのです。
Q8: そんな法律があったとは夢にも予想しておりませんでした。日本人同士の内縁関係と同じように考えていたのです。どうすればいいのでしょうか?もうだめなのでしょうか?
A8: 出生後3か月以内に親子関係不存在確認の訴を起こし、家裁での審判が確定後14日以内に認知の届出を出す必要がああります。
なお、このような事案においては、胎児認知の届出が不受理になることがありますが、不受理なら不受理で、不受理証明を得ておいてください。
Q9: 胎児認知とは何でしょうか?
A9: 胎児認知とは、胎内にある子を認知することであり、母の承諾が必要です。国際結婚の事実婚の場合に問題になり、この場合、認知された子は出生により日本国籍を取得します。
これは国籍を取得するうえで、非常に重要ですが、一般にはあまり知られていません。その結果、多くの日本人の子どもたちが「外国人」と扱われて、在留資格を問題にされたり、あるいは無国籍になっています。特に、外国人は在留資格が必要であり、国籍付与が急務な場合があります。国際結婚されるかたは、入国管理局、法務局、区市町村の戸籍課・外国人登録課、本国の大使館・領事館、本国の外務省、本国の区市町村、日本の外務省、日本の在外公館、家庭裁判所、等が複雑に絡み合うことに注意しておいてください。
Q10: 出生後の認知は無駄ですか?
A10: 準正がありますから、無駄ではありません。なお、認知のみでは不十分としつつ、準正による国籍付与を可能にしたのは、認知のみでは仮装認知の危険が大きくなるからです。
Q11: 私は日本人ですが、配偶者が某国に帰化したところ、法務局に自分の子どもが日本国籍を喪失したので、手続するようにと言われました。本当でしょうか。
A11: 実例で、法務局の過失だったことがあります。危うく国籍喪失の手続をする一歩手前でした。日本で一番詳しい行政のはずの法務局が間違えてしまうくらい、国籍は難しい事案があります。その件では、過去の行政先例や通達や専門的な文献を調査のうえ、上申書を作成する必要がありました。結局、法務局から当事者の面前でお詫びの言葉も頂きましたので、どちらの法務局かは、名誉のため、公開は控えさせていただきます。
|
|
|
|