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興行ビザの法務Q&A
興行ビザの法務に関して、専門の移民法律家がQ&A形式でお答え致します。

Q1: 興行ビザとは、どのようなものですか?
A1: 興行ビザとは、演劇、演芸、演奏、スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(投資・経営に当たる活動を除く。)のためのビザです。

Q2: 興行ビザの要件(基準)は何でしょうか?
A2: 
1.申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動に従事しようとする場合は、2に規定する場合を除き、次のいずれにも該当していることです。

 イ.申請人が従事しようとする活動について次のいずれかに該当していること。ただし、当該興行を行うことにより得られる報酬の額(団体で行う興行の場合にあっては当該団体が受ける総額)が1日につき500万円以上である場合は、この限りでないとされます。
 (1)
外国の国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる公私の機関が認定した資格を有すること。 (2005年の改正で削除になった有名な箇所。案内10-46。)
 (2) 外国の教育機関において当該活動に係る科目を2年以上の期間専攻したこと。
 (3) 2年以上の外国における経験を有すること。

 ロ.申請人が次のいずれにも該当する本邦の機関に招へいされること。ただし、主として外国の民族料理を提供する飲食店(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「風営法」という。)第2条第1項第1号又は第2号に規定する営業を営む施設を除く。)を運営する機関に招へいされる場合で、当該飲食店において当該外国の民族音楽に関する歌謡、舞踊若しくは演奏に係る活動に従事しようとするときは、この限りでないとされます。
 (1) 外国人の興行に係る業務について通算して3年以上の経験を有する経営者又は管理者がいること。
 (2) 5名以上の職員を常勤で雇用していること。
 (3) 申請人を含めた当該機関において興行に係る活動に従事する興行の在留資格をもって在留する者の人数が、これらの者が従事する興行を管理する常勤の職員で、かつ、当該機関に引き続き6月以上雇用されている者1名について10名以内であること。ただし、当該興行が興行場法(昭和23年法律第137号)第1条第2項に規定す興行場営業が営まれている施設において行われる場合は、この限りでないとされます。
 (4) 当該機関の経営者又は常勤の職員が法第73条の2の罪又は売春防止法(昭和31年法律第118号)第6条若しくは第12条の罪により刑に処せられたことがないこと。ただし、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過している場合は、この限りでないとされます。
 (5) 当該機関の経営者又は常勤の職員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号。以下「風営法施行規則」という。)第5条各号に規定する罪のいずれかに当たるものを犯したことがないこと。

 ハ.申請人の出演する施設が次に掲げるいずれの要件にも適合すること。ただし、興行に係る活動に従事する興行の在留資格をもって在留する者が当該施設において申請人以外にいない場合は、(6)及び(7)に適合すること。
 (1) 不特定かつ多数の客を対象として外国人の興行を行う施設であること。
 (2) 風営法第2条第1項第1号又は第2号に規定する営業を営む施設である場合は、次に揚げるいずれの要件にも適合していること。 (i) 専ら客の接待に従事する従業員が5名以上いること。
(ii) 興行に係る活動に従事する興行の在留資格をもって在留する者が客の接待に従事するおそれがないと認められること。           
 (3) 13平方メートル以上の舞台があること。
 (4) 9平方メートル(出演者が5名を超える場合は、9平方メートルに5名を超える人数の1名につき1.6平方メートルを加えた面積)以上の出演者用の控室があること。
 (5) 当該施設の従業員の数が5名以上であること。
 (6) 当該施設を運営する機関の経営者又は当該施設に係る業務に従事する常勤の職員が法第73条の2の罪又は売春防止法第6条若しくは第12条の罪により刑に処せられたことがないこと。ただし、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過している場合は、この限りでないとされます。
 (7) 当該施設を運営する機関の経営者又は当該施設に係る業務に従事する常勤の職員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で風営法施行規則第5条各号に規定する罪のいずれかに当たるものを犯したことがないこと。

 ニ.申請人が月額20万円以上の報酬を受けること。

2.申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動に従事しようとする場合で、次のイ、ロ又はハに該当するときは、イについては前号ニに、ロ又はハについては前号ハ(6)、(7)及びニにそれぞれ該当していることです。

 イ.申請人が我が国の国若しくは地方公共団体の機関、我が国の法律により直接に設立された法人若しくは我が国の特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人又は学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校、専修学校若しくは各種学校に招へいされる場合
 ロ.申請人が我が国と外国との文化交流に資する目的で国又は地方公共団体の資金援助を受けて設立された機関に招へいされる場合
 ハ.申請人が外国の情景又は文化を主題として観光客を招致するために外国人による演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行を常時行っている敷地面積10万平方メートル以上の施設を運営する機関に招へいされる場合で、当該施設において当該興行に係る活動に従事しようとするとき。

3.申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動以外の興行に係る活動に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事することです。

4.申請人が興行に係る活動以外の芸能活動に従事しようとする場合は、申請人が次のいずれかに該当する活動に従事し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることです。
 イ.商品又は事業の宣伝に係る活動
 ロ.放送番組(有線放送番組を含む。)又は映画の製作に係る活動
 ハ.商業用写真の撮影に係る活動
 ニ.商業用レコードの録音に係る活動

Q3: スポーツ選手のコーチやサーカスの動物飼育係員も興行ビザですか?
A3: 通常、そうなります。

Q4: オーケストラの指揮者はどうですか?
A4: 通常、芸術ビザではなく、興行ビザになります。興行ビザは英語では"Entertainer" エンターティナーなので、少々抵抗があるかもしれませんが。

Q5: 「1-イ-(1) 外国の国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる公私の機関が認定した資格」とはどういうもののことをいうのですか?
A5: フィリピン政府が認定する「Artist Record Book(ARB)」や「社団法人 韓国演芸人国外送出協議会」が認定する「国外就業演芸人資格」のことをいいます。

Q6: 興行ビザでエンターティナーを招聘する側は何に注意すべきでしょうか?
A6: 興行で招聘する側は通常、専門のプロモーターですが、外国人の管理能力が問われると申しましても、当該外国人の人身の自由(憲法18条等)の侵害行為は、もとより、入管も裁判所も認容しておりませんので、旅券を奪取する行為(刑法235条、236条1項)等も含め、外国人の基本的人権(憲法13条)に配慮する必要があります(刑法130条、204条、220条等)。また、近時、入管は不法就労を断固、摘発する方針であり、大量の摘発者が出ているところです。
 さらに、いわゆる「報酬の天引き」行為については、労働基準法24条1項により、原則として認容せられません。この点、食費や宿泊費の金額については、社会通念上、相当なものでなければなりません。
 その他、プロであればご存知のように昨今、この業界(外国人パブ)は逆風が吹いており、「外圧」もあって、先行きが怪しくなってきています。

Q7: 出演先施設のポイントは何でしょうか?
A7: まず、舞台装置は完備されていることです。また、振り付け、衣装、照明、演出、公演日程、公演内容、等もあらかじめ決められておくことです。その他、細かなことは省略させて頂きます。

Q8: 「1-ハ-(2)-(i)専ら客の接待に従事する従業員」とは何のことをいいますか?
A8: フロアレディ、ホステス、ホスト、コンパニオン、等のことを指しますが、名称で決まるわけではなく、実体(態)で決まります。他方、雑用係のような業務に通常従事するかたは含みません。なお、「常勤」である必要はありません。

Q9: 「1-ハ-(4)出演者用の控室」とは何を意味しますか?
A9: ロッカー、鏡、いす等の備品を備え、出演者が更衣、休息をするのにふさわしい機能を有するものをいいます。

Q10: 「3.申請人が演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏の興行に係る活動以外の興行に係る活動に従事しようとする場合」とは何でしょうか?
A10: ファッションショーなどのことをいいます。

2005Jul22
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