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留学ビザの法務Q&A
留学ビザの法務に関して、専門の移民法律家がQ&A形式でお答え致します。

Q1: 留学ビザとは、どのようなものですか?
A1: 留学ビザとは、本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において十二年の学校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校において教育を受ける活動、のためのビザです。
 原則として、働けないことに留意する必要があります。なお、留学ビザと対比して、よく「就労ビザ」という表現をするかたが多いのですが、そもそも「就労ビザ」というビザ(在留資格)は日本のビザには存在しませんし(但し、便宜上、当サイトでは「就労ビザ」という表現を用いるときがあります。)、入管法上の就労可能なビザというのは、基本的に、それぞれ、就労可能な仕事が決まっており、どんな仕事にも就けるわけではないのでご注意ください。就労制限がないのは永住などの一部の在留資格(ないしビザ)だけです。またアメリカなどの他の国のビザとは基本的に関係がないことにも注意が必要です。
 但し、「査証」には「就業査証」というカテゴリー(区分)があります。ですから、これと混同されているのでしょう。要するに、「査証(ビザ)」と「在留資格」の二重構造になっているわけで、分かりにくいのも無理ないです。これに加えて、他の国のビザ制度との混同も相まって、なおさら分かりにくくしているのです。「就業査証」という語には十分ご注意ください。
 この点、このサイトでは一般のかたにも分かりやすいように、「ビザ」を在留資格を含める意味に用いているのですが、正確には「査証(=ビザ)」と「在留資格」は別のものということを知っておかないと、混同が生じます。その結果、不法就労で強制退去や自主帰国になることがあります。十分に研究なさったほうがよいでしょう。

Q2: 留学ビザの要件(基準)は何でしょうか?
A2:以下が基準です。
1.申請人が本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において12年の学校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校に入学して教育を受けることです(専ら夜間通学して又は通信により教育を受ける場合を除く。)。

2.申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用(以下「生活費用」という。)を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有すること。ただし、申請人以外の者が申請人の生活費用を支弁する場合は、この限りでないとされます。

3.申請人が専ら聴講による教育を受ける研究生又は聴講生として教育を受ける場合は、当該教育を受ける教育機関が行う入学選考に基づいて入学の許可を受け、かつ、当該教育機関において1週間につき10時間以上聴講をすることです。

4.申請人が専修学校の専門課程において教育を受けようとする場合(専ら日本語の教育を受けようとする場合を除く。)は、次のいずれにも該当していることです。
 イ.申請人が日本語教育施設の教育条件等について審査及び証明(以下「審査等」という。)を行うものとして主務大臣が認定した事業を実施する者により審査等を受けている日本語教育施設で法務大臣が告示をもって定めるものにおいて6か月以上の日本語の教育を受けた者、専修学校において教育を受けるに足りる日本語能力を試験により証明された者又は学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けた者であること。
 ロ.当該専修学校に外国人学生の生活の指導を担当する常勤の職員が置かれていること。

5.申請人が専修学校の専門課程において専ら日本語の教育を受けようとする場合は、当該教育機関が日本語教育施設の教育条件等について審査等を行うものとして主務大臣が認定した事業を実施する者により審査等を受けている日本語教育施設で法務大臣が告示をもって定めるものであること。

6.申請人が外国において12年の学校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関において教育を受けようとする場合は、当該機関が法務大臣が告示をもって定めるものであること。

Q3: 留学ビザのポイントは何でしょうか?
A3: たとえば、日本の大学に留学する場合、通常、ビザの手配は大学側が行います。そこで、大学選びがポイントになるでしょう。近時は大学や短大、専門学校等の在籍管理が問題になっており、専門学校はもとより、4年制大学でも大量のビザ(正確には「在留資格認定証明書」)の不許可を受けています。そうした大学の情報を事前に得ることがよいでしょう。

Q4: 留学ビザの審査では、出身国によって差別があるのではないですか?
A4: まず、留学ビザも、他のビザと同様、出身国や地域によって、審査の厳しさは異なることを知っておくべきでしょう。これは、「差別」ではなく、偽造文書等の虚偽申請が多い地域は、経験則上ないし事実上、「虚偽であるとの推定」が多かれ少なかれ働くことによるものであり、ある程度はやむをえないところです。

Q5: 留学ビザで、大学側ではなく、申請人の学生側について、特に審査のポイントになるのは何でしょうか?
A5: たとえば、以前、何らかの機会に、別のビザの申請をしていたのでしたら、履歴等において、不整合のないようにする必要があります。あさひ東京総合法務事務所が以前扱った事案で、数年前に申請したビザのときの経歴と今回の経歴とでズレがあったために不許可になった事例がありました。たとえ、本人に害意がなかったとしても、不許可を招きますから、十分ご注意ください。

Q6: 経費支弁者のポイントは何でしょうか?
A6: 預金残高証明書を仮装するような行為はしないことです。一時的に資金を仮装するのは、いわば会社設立のときの「見せ金」(商法177条、189条等。最判昭38・12・6等。)と同じような行為であり、「預け合い」等が罰則付きであることから見ても、その違法性はなしとしえないでしょう(公正証書原本不実記載罪につき、最判昭47・1・18参考)。もっとも、最近では、「預金残高証明書」は重視されてらず、通帳丸ごと等の他の証拠方法へ変遷しつつあります。

Q7: 私は今は(事実上)なき、某S田短大に在籍しておりましたが、ご存知のとおり、大学側が経営破綻したため、やむなく帰国しました。この経歴は次回のビザ申請時に不利になるでしょうか?
A7: 少子化で、各大学は生き残りにしのぎを削っておられますから、無理な人集めの結果、このように被害を受けるかたもおられます。ただ、あさひ東京総合法務事務所が聞いたところでは、大半の留学生は「人集め」だということは初めから知っているようです。
 さて、そのように某S田短大に在籍していた、というだけで直ちに不利益に扱われるわけではないですが、入管当局でも某S田短大の在籍管理ははなはだ問題があったことは周知しておりますから、念入りに事情を説明し、特に就労目的でないことは強調するべきでしょう。

Q8: 私は留学ビザでこれまで、日本の大学にいましたが、今年は就職の年にも関わらず、不況で未だに「内定」をもらえません。ビザはもうすぐ切れます。そこで、就職の決まらない段階で、留学生ビザから、働けるビザへの変更はできますか?
A8: できません。もし、就職が決まらないときは、原則として、帰国することになります。日本人のような「就職浪人」は、外国人の場合、入管法上、原則として、認容されません。ですから、就職活動も、たとえば、1年生の4月から検討することになるでしょう。ただ、入管法は、本当に優秀な外国人以外は、原則として受け入れないというのが、基本的方針であることを知っておく必要があります。ですから、就職活動ばかりしていて、本業の勉強がおろそかになり、成績が下がらないようにするべきです。
 上記のいわば例外は以下です。「構造改革」に関連して、2003年度中から、「留学生が卒業後、就職活動を行っており、かつ、大学による推薦がある場合には、「短期滞在」への在留資格変更を許可し、更に一回の在留期間更新を認めることにより、最長180日間滞在することを可能とするとともに、個別の申請に基づき、週28時間以内の資格外活動の許可を与える。」こととなりました(入管法20条、21条関係。)。030821

Q9: 留学生が就職する場合、どんな会社でもよいですか?
A9: これは日本人とは異なりますので、十分ご注意ください。つまり、あまり選べないということです。あくまで、人文国際ビザや技術ビザ等の基準に適合するような仕事と会社でなければなりません。ですから、せっかく就職先が決まっても、いざビザ(在留資格)の変更申請を行ったところ、不許可になるケースはあります。申請する前に、その会社での申請をするに値するだけの価値があるか否かの事前の見込み分析を行うには、豊富な経験と高度かつ最新の知識が必要です。

Q10: 私は自分の国の大学院のマスターまで出ましたが、日本の大学の学部に留学したいと考えております。しかし、大学院まで出ていて学部に入るのは不自然のようにも思えますが、問題はないでしょうか?
A10: 理由書で十分に説明できれば、基本的に問題はありません。実際、そういうかたは多くおられます。あくまで留学して勉強するという目的をはっきりとさせることです。
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